社会人の資格取得体験談まとめ

働きながら資格を目指す人必見!いろんな資格を取得した人の体験談をまとめました。

主婦が不動産業界で働くなら取りたい資格

不動産業界で働くには「必須」と言われることもある宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)、主婦の方でもこの資格があればパート探しの選択肢が広がる、といった情報を目にすることもあります。

 

私はこの資格が国家資格であることも知らない時に、家庭の事情があり急遽知人の紹介で不動産業界に就職しました。

 

40代女性子持ち資格なしが簡単には仕事が探せなかった、紹介されたからとりあえず入社した、いわば腰かけです。

 

入社当時は「何の業界でもとりあえず自分が出来る事務仕事(総務経理)をすればいい」という程度に考えていました。

どうやら私の飛び込んだ先は不動産業の中でも主に大家業と投資会社のような小さな会社だったようで、社長に言われたことは可能な限り行っていました。

 

そのうちに契約書の作成やお部屋の案内まで頼まれるようになりましたが、私にその業務を教えてくれる立場の方が急に退職するといった不運もあり、私は未知の業務を自信なくオタオタしながらやっつけるという状況が続きました。

 

これも後から知りましたが、社長は業界歴は長くても資格を持っていなかったのです。この社長の指示だけで動いていたのですから、今思えば怖い契約書作成をしていたものです。

 

だんだんに業務がわかってきたころ、社長から「お金出すから資格取ってよ」と言われました。資格のある、なしの違いがわかりませんでしたので、なぜ費用まで負担してくれるのか不思議でしたが、少し調べただけで納得しました。

 

資格のない社長が不動産業をするためには資格者を雇わなければならない、その条件が満たされない危険があったのです。それは費用くらい出すなあ、と理解しました。

 

しかし、そもそも不動産業界に興味がなかった私は、費用うんぬんではなくやる気がありませんでした。私のためではなく、会社のためにという部分でも「なんで私がやらなきゃならないの?」と思っていました。

 

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子供のこともあり「通学は無理です、通信なら少しやってみますが」と話し、独学のための教材一式を購入していただきました。

 

しかも教材を「勤務時間中にやっていいから」と言われる高待遇でしたが、まだまだやる気は出ませんでした。

 

自宅学習は時間的に難しく、まったく知識が身につかないまま最初の年の試験を迎えました。

 

結果は自己採点すら不要な惨敗。ここで少し「経費使わせて不義理をした」という気持ちが出ましたが、まだ「次は頑張ろう」とは思わず「これで私にはあきらめてくれるだろう」と思いました。

 

翌年はさらにひどいことに、受験申込をしたにもかかわらず、私は体調不良を理由に会場に行きませんでした。何も勉強していなかったからです。

 

とことんやる気がなかったわけです。そんな私を社長は責めることはありませんでしたが、ちょっと寂しそうにしていました。

 

同時期に資格取得を勧められていた営業職の男性がいたのですが、対外業務においては宅地建物取引士資格保有者か否かは非常に重要らしく、不合格がわかった後にひどく落ち込んでいました。

 

「資格お持ちじゃないんですね」という目で名刺を見られる、と。

 

そんな人が身近にいても私は相変わらず資格自体には興味がない気持ちでいましたが、少しは勉強したことで自分の今の仕事がいかにリスキーかは徐々に知ることになりました。

 

これはまずい、万が一私のかかわった仕事で会社がまずければ私の生活もまずい。それが率直な気持ちでした。

 

結局私を奮い立たせたのは特筆するのがおこがましいですが、臆病で誠実な性格に合わないことはしてはいけないという気持ちでした。

 

合格してもしなくても、法令遵守に必要な知識は勉強したほうがいいと思ったのです。

 

ここに、実務経験が2年以上経過したことで受けられる「5問免除」の対象だと知り、さらに宅地建物取引士へ名称変更される年で「きっと増やすために合格率が上がる」という怪情報に踊らされ、じゃあ今年はやるか、と行動しました。

 

勉強し始めてみると私の法令遵守の思考は「お勉強向き」であったらしく、数字の暗記以外はあまり苦労はせずに頭に入りました。

 

この年は怪情報とは反対の合格者数で、合格点も他の年度より低かったのですが、私は余裕の合格点を取れました。

 

専門家の総評を拝見すると、暗記よりもしっかり考えなければならない問題が増えたとのことですので、恐らく私の性格には有利だったようです。

 

資格を取得したことで会社から手当をいただけるようになりました。

 

それよりも変わったことは私の説明に説得力があるようになったのか、お客様と貸主との調整がスムーズにいくようになり、お客様からも貸主からも信頼されるようになりました。

 

自分としては、以前から変わらず誠実に対応しているだけのつもりなのですが、知識と資格に裏打ちされた話しかたができるようになったのかもしれません。

 

普通の総務事務職だった私が、法令遵守をして、誠実に対応していれば、いい結果はついてくるものなんだなと今は思えています。

 

業界的に少々グレーなイメージがありますが、私は違う!というアピールで信頼を勝ち取るためのアイテムの一つがこの資格なのではないかと考えています。